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一期一冊 vol. 2
くらべることで、見えること

先日、化粧水を手にパッパッと頰を叩いていたら、中学生の娘から
「あんまり叩いちゃいけないんだって。それ、ショーワのやり方じゃない?」
と言われてしまいました・・。真偽はさておき、娘よ、昭和で何が悪い。

と、ついつい色めきだってしまいますが、
令和も4年目を迎え、「昭和」も「平成」も今は昔。
母娘の争いはノーサイドということで、
こんな本でタイムトリップでも楽しんでみましょうか。

■今日の一冊
『くらべる時代 昭和と平成』
(文・おかべたかし、写真・山出高士/東京書籍)

オムライスや寿司、カメラ、教科書、ポストなどなど、
「昭和」と「平成」の変化を、写真とエッセイで教えてくれる一冊です。

表紙でも紹介されているオムライスは、昭和は固めで平成はとろとろ。
この「やわらかくなった」という特徴は、
昭和から平成への変化のポイントのひとつで、
プリンやガムにも共通しているのだそう。

教科書も変わりました。
昭和はA5判が主流でしたが、平成はB5判と大きくなり
カラーページが増えて写真やイラストが多く使われるように。
内容にも変化が見られます。例えば、
これまで「平和な農村」のイメージで解説されていた弥生時代は、
昭和61年からスタートした吉野ヶ里遺跡の発掘によって、
国と国が争う「戦乱の世」として紹介されるようになりました。

お寿司はシャリの量が変化。
かつては「寿司屋で呑むな、蕎麦屋で呑め」と言われ、
寿司屋は食事をする場所と考えられていました。
その後、お寿司屋さんでもお酒を楽しむ人が多くなり、
さらには女性客も増えたため、シャリは小さめに。
女性への配慮という観点も、ものの変化に影響を与えているようです。

ものをくらべることで見えてくること、
たくさんありそうですね。

ちなみに、平成生まれの中学生女子は、
平成よりも昭和のアイテムのほうが「おしゃれ!」と感じたようです。
令和の身のまわりのものとくらべてみるのも面白そうですね。(W)